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2019年9月21日のクイズ

こんばんは。クイズ作家の田中健一です。

RWCのフランスvsアルゼンチン、後半の途中からですが、
ものすごく見応えのある試合でした!
カミーユ・ロペスという名前を覚えました。
終了後、「ノーサイド」の精神が見られなかったのは残念ですが……。

さて、大学の後輩・秋元雅史のTweetが反響を呼んでいるようです。
https://twitter.com/0323akm10/status/1173007775414095872
また、これに関してホームページで補足がありました。
http://quiz.a.la9.jp/latest/201909.html

彼はクイズの「記号化」に警鐘を鳴らしつつ、
「悪いことだとは思っていない」そうですが、
私もおおむね同じ考えを持っています。

ただ、記号化を打破できるのは「プロ」だけ
……ということはないと思います。
「アマ」の方でも記号化されていない素晴らしい問題を
作れる人はたくさん存在していますし、
逆に打破できていない「プロ」もいるでしょう。

早押しクイズは(原則として)短い問題文の中に
要素を過不足なく盛り込まないといけないので、
問題文がある程度同じ形に収束してしまうのは
避けられない部分があります。

ただ、我々プロは報酬をいただいているので、
過去問と一言一句同じような問題を提出して、
「問題を作りました」と言うことはできません。
(それは「問題を選びました」ですよね……)

もちろん、すべての既出問題を知る術はないので、
一定の割合で「記号」は生まれてしまう訳ですが、
その割合を少しでも低くするように努力しています。
それがプロとしての最低限の矜持です。

大会などで、まとまった数の問題を出す場合、
この「記号」の割合が高くなればなるほど、
不幸な事態が起きます。
それは、精魂込めて作った目新しい問題も、
「記号」として処理されてしまい、
せっかくの努力が報われなくなるということです。

ですから、私が担当している大会でも、
「記号」のような問題はある程度は出ますが、
できる限り少なくすることによって
1問1問にじっくり耳を傾けてほしい、
(もちろん数文字でわかったら押していいんですけどw)
そんなポリシーで問題を作っています。

珍しく問題作りについて語ってしまいましたが、
全然まとまってないですね。
時間があるときに、改めて……。

一石を投じてくれた秋元君に感謝します。

それでは、今日の問題です。

★問題★

【1】9月21日、2017年のフジテレビの連続ドラマ『僕たちがやりました』で共演したことがきっかけで交際していた女優・水川あさみと結婚した俳優は誰?

【2】9月21日、コントの日本一を決める「キングオブコント2019」で初優勝を果たした、佐賀県出身で幼なじみの森慎太郎と江口直人によるお笑いコンビは何?

【3】9月21日、すい臓がんのため74歳で亡くなった、小松左京作のSF狂言『狐と宇宙人』など新作にも取り組んだことで知られる大蔵流の狂言師は誰?

【4】9月21日、フランスのブザンソン国際指揮者コンクールで、日本人としては2011年の垣内悠希以来8年ぶりとなる優勝を果たした、ドイツを拠点として活動する指揮者は誰?

【5】9月21日、プロ野球セリーグで5年ぶり37回目の優勝を果たした読売ジャイアンツの監督は誰?
 


【1】窪田正孝

【2】どぶろっく

【3】茂山千作(しげやま・せんさく)

【4】沖澤のどか(おきさわ・-)

【5】原辰徳

  
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田中健一公式HP『クイズマガジン21』

tag : 水川あさみキングオブコント小松左京ブザンソン国際指揮者コンクール垣内悠希読売ジャイアンツ

comment

Secret

No title

大々的に取り上げて頂きありがとうございます。
確かに「非記号化クイズ」を作れる「非プロ」は沢山いると思いますし、「記号化クイズ」でお茶を濁している「プロ」も散見されます。
ただ、「記号化の流れを打破できる力を持っている」のは、やはり「プロ」だけなのかな、と自分の20年の無力さも顧みて思うのです・・・。
いずれにせよ、田中さんがそうした力を明確に意識して仕事に取り組まれていることを改めて確認でき、非常に嬉しく思います。大会の参加者(特に高校生)にもしっかり伝わって欲しいですね。

Re: No title

さっそくのコメントありがとう。
「記号化クイズ」も確実に市民権を得ているし、それを否定するつもりはないけど、
『QuizistA』の売れ行きが「記号」に近い偶数号>奇数号なのは複雑な心境。(笑)

大会では「(原則として)正解が出ること」という大前提を守りつつも、
「データ量と検索速度だけの勝負」にならないような、
人間がAIに負けないような問題を模索し続けていきたいと思います。
まだ見つからずに眠っているお宝が大量にあるはずだから。

言い訳みたいですけども

私は田中さんとのあの貴重な戦いの場でも、一番楽しいと思えた瞬間は自分の知らなかったことが出題され「へえ」と思えたことでした。

それくらい、新しいことを知る楽しさが、クイズの場でスポーツとして解答できる喜びを、自分のなかで大幅に上回っているのだと思います。

だからこそ、私はプレイヤーとして残せるものが少なかったのだと言えます。だって、極論すれば知らない方が楽しいんだもの。

記号化クイズには危機感が強いです。

そしてもうひとつ、クイズやる人はベタができる以前に教養人であってほしいとどこか思ってしまいます。自分が何を答えたか、みたいな自分語りなんかより、その場に提供された知を愛でる方がはるかに有意義で楽しいはずなんです。

Re: 言い訳みたいですけども

コメントありがとうございます。
僕はスポーツとしてのクイズも大好きですが、
知識が増えていく楽しさがクイズの醍醐味であることには
完全に同意します。

ただ、現役バリバリのプレーヤーでもあるので、
ベタ問も貪欲に吸収しちゃうわけですが(笑)、
教養人という言葉には憧れますね。
今はまだ深さより広さを追求している段階ですが、
少しずつ深みも加えていければと。

お仕事の方、お忙しいでしょうが、
またナントカ杯などで対決できるといいですね。
そして、僕が作る「記号でない」クイズにも、
挑戦していただける機会があればいいなと思います。
プロフィール

Kenichi Tanaka

Author:Kenichi Tanaka


クイズ作家・クイズ王です。
校正・校閲の仕事も手掛けています。


お問い合わせは下記アドレスへお願いします。
ranimi16@gmail.com

クイズ作家としては、数々のテレビ番組、ゲーム、ウェブサイト、携帯サイト、広告などを手掛けています。
また、『TVチャンピオン』の「クイズ作家王選手権」で優勝しました。

クイズ王としては、『第16回アメリカ横断ウルトラクイズ』優勝、『クイズ王最強決定戦~THE OPEN~』4連覇などの実績があります。

校正者としては、書籍、論文、web記事、学習教材など幅広く手掛けております。

東京大学法学部卒業。漢字検定1級。知識検定1級(第2回~第4回:1位)。

詳細・問題作成のご依頼は、
公式HP『クイズマガジン21』で!

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